高野山と京都に行ってきました。
伊丹に飛んで、高野山ー。難波に出てからは南海高野線で一気に行けるのが驚きでした。今回は二人旅でしたが、飛行機のチケットも宿もノータッチの私。あ、京都のホテルは頼まれたので取りましたけど、行ったことのあるホテルなので、ほぼノータッチです。
高野山に行く電車に乗って思ったのは、山から山へ来てしまったこと。「いつもと同じじゃんかよー!」と泣きごとを言われたので「あそこに見えるシダは、地元にはないよ」って言っておきました。どうでもいい感じで無視されました。まあいいです。南に来たなあ。
高野山は標高が高いですね。でも道路に『熊出没注意』と書いてあって、地元と何ら変わらないなと思いました。
宿坊に荷物を預けて3時くらい?だったので、壇上伽藍の方に行きました。5時までには戻って来てねと言われたので。宿坊の夜は早いです。
一個一個説明して歩いたのですが、連れが流石すぎる。自分に必要ないところは素晴らしいまでに聞いていませんでした。それが私と寺社仏閣を巡る時の鉄則だそうです。
壇上伽藍ですが、もうなんていうか…!なんていうか!「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」がバイブルと化している私には垂涎すぎました。実は今回も文庫を持ちこむつもりだったのですが、重すぎて諦めた経緯があります。あと陰陽師。御社は行かざるを得ない!丹!水銀!いろいろありすぎてもはや前後不覚。
そういうテンションのまま宿坊に着いたら部屋に夢枕先生のインタビューが載っている雑誌が置いてあった。おおお…狙っているとしか思えない。狙われている?ターゲットは捕捉されていますよ。
宿坊ではお料理を運んでくださるのも、布団を敷いてくださるのも若い修業のお坊さんです。いいですねー。
はい、山上の聖地では鳴りを潜めていた妄想ですけど、帰ってきたらいろいろ…いろいろ!
かなり大きくて格式の高い寺のお転婆娘、杏ちゃんとかどうでしょう…!桔平兄さんは跡取りですよ。昔はやんちゃしてたけど結局寺を継いじゃう真面目な兄と、ちょっと年の離れた妹。桔平兄さんはもう僧正の位をもらっているといいですね。え?それなんて柔兄。ネタの分かった方はここで笑ってください。まあ、僧正を出すくらいだから相応の寺ですよ。大きいお寺さんで修行のために来ている僧侶もいっぱいいるのです。
杏ちゃんはそこのお嬢様。住職の娘、副住職で僧正位を持つ男の妹、なんてなったら、若いお坊さんの間での杏ちゃんの扱いは自然とお嬢様になります。でもあんまりそういうことを気にしない杏ちゃん。それで、あんまり寺のことは分からないとか。御経は桔平兄さんの隣で聞いていたらから分かるのもあるけれど、朝の勤行なんかは寝過していつも朝食ギリギリに起こされるんだと思います。起こすのは回り番で担当とかあればいい。
それで修行僧の中では古参の柳とかいいんじゃないですか!?ダメですか!?彼は絶対に作務衣が似合う。柳は柳で、それなりの寺の跡取りで、大学卒業後に山=杏ちゃんちに修行に来たのですよ。でも実家に戻るに戻れなくなってずるずる5年くらいいる。気が付いたら古参。しば漬け食べたい。ここでネタが分かった方は連絡ください。割と本気で…冗談です。
※ここから当然のように柳杏ネタです。
古参の柳はお嬢様の扱いも一番手慣れています。そして一番厳しい。副住職桔平兄さんの信頼度も(杏ちゃんのしつけ的な意味で)かなり高いので、杏ちゃんはもう苦手も苦手です。朝は勤行が終わったら即刻起こされるので、平均的な修行僧より30分は早く起こされるし、苦手な野菜も全部食べないとあとで怒るし、成績が下がると嫌味を言われるし(杏ちゃんは中学二年生~高校一年生くらいで)、休みの日に「暇ー、兄さんどこー」とか訊くと「お暇なら写経を納めるくらいしたらどうか」とか100%善意で言われちゃうし。とにかく苦手なのだけれど、今までで一番近くにいるのも確かだし、他の僧侶はお嬢様なのでなかなか聞いてくれない学校での愚痴とか、悩みとかをよく話してしまう杏ちゃん。
でも、ちょっと機嫌が悪い時に、所作を注意されたりして、杏ちゃんはいつもの我儘を言う調子で「蓮二さんなんか山を下りちゃえばいいんだ!」とか、「どうせ家を継ぐんだから、私なんか構わないでよ!」とか言ってしまいます。その時、柳はちょうど実家の法要に呼ばれていて、外出届を出していました。そこで杏ちゃんに「山を下りればいい」とか「家を継ぐ」とか言われて、将来のことを考えたらいつまでも山に残らずに実家に帰った方がいいのか考えてしまいます。それで、法要で下山する前に、馴染みの古参たちにそういう話をしてしまうのです。で、一時下山。
杏ちゃんは寺の方はノータッチなので、そういえば蓮二さんいないなー?くらいの気持ちで掃除をしている古参にどこに行ったのか聞きます。その僧侶は法要のことだけでなくそういえばこんなこと言ってましたよ、と、本格的に山を下りて、家を継ぐのを検討すべきだろうか、という話をしてしまいます。「変ですよね、急に。蓮二は山に入って長いし、家はお姉さんが経営を担当するとか、坊主くらい捕まえてくるとか言っているから、あと数年は放置しても大丈夫だと言っていたのに」と言われて、急に柳が山を下りるのではないか、という思考にたどり着いた杏ちゃんは青ざめます。あんなこと言わなければ良かった、とか、やっぱり蓮二さんは山より実家の寺の方が大事なんだろうか、とか。蓮二さんが決めたことだもの、と考えますが、それでも我慢できなくて、方丈に駆け込む杏ちゃん。
桔平兄さんが驚いて「どうしたんだ?」と訊くと、杏ちゃんは「蓮二さんを山から下ろさないで!」と叫んでしまいます。そんなこと言ってはいけないと分かっているのに、いつもうるさく言われていなければいいと思っていたはずなのに、いざ、いなくなってしまうのではないかと思うと、居ても立ってもいられなくなってしまいます。
「蓮二和尚…?」
「山から下ろしたら、こないだ兄さんが法要サボったの父さんに言い付けてやるから!あと、あと!!」
といろいろ言うのですが、桔平兄さんは落ち着いています。
「落ち着け杏。蓮二和尚は実家の法要に行っているだけで山を下りる訳じゃない。それに」
と言って桔平兄さんはため息をつきます。いつになく重いそれに、思わずびくっとなる杏ちゃん。
「お前がいくら言い募っても、俺はそれを聞き入れる訳にはいかない。彼は修行のためにここに来ているのをお前はちゃんと分かっているんだろうな?」
「だって」
「だって、じゃない。俺も甘え過ぎだったな。いいか、蓮二和尚はもう古参だ。山を下りればもちろん住職になれるだけの修業を積んだし、山に残れば十分役僧を任せられるんだ。いつまでもお前の相手ばかりさせておくわけにもいかない」
と言われて、ショックを受ける杏ちゃん。
「話がそれだけなら部屋に戻って勉強をしろ」
書いていて思ったのですが、僧正橘さんが普段より杏ちゃんに厳しい気がする(私の中で)。
しゅんとしてしまいながらも部屋に戻って勉強に取り掛かる杏ちゃん。そこでちゃんと勉強しないと蓮二さんに怒られるもの、と考えてしまい、それから柳が山を下りることを考えて余計に辛くなってしまうのです。そんな感じで数日を過ごして、山に柳が帰ってきます。学校から帰ってきたら、蓮二和尚が帰ってきましたよーと気落ちしていたのを知っている…誰がいいかな…と思ったのですが、石田鉄和尚に言われて…新参です。なんていうか、新参者の若い僧侶とか似合いすぎた。鉄和尚に言われた杏ちゃんは、一瞬目を輝かせますが、すぐに下山のことを考えてしまい落ち込み気味です。どうしたのかな?と石田は思うのですが、杏ちゃんはちょっと話しをして部屋に戻ってしまいます。女心は複雑だよ、鉄くん。
部屋に戻って課題を広げたりしていたらドアの向こうから
「蓮二です」
と声を掛けられます。どうやら帰山の挨拶に来たようです。杏ちゃんは、こんな時に来ないでよ!と思いますが、居留守を使う訳にもいかなくて「どうぞ」と言います。
「本日戻りましたので…大したものではないですが、実家の近くの菓子です」
とかなんとか言って、入り口のところに手をついて菓子折を差し出す柳に、杏ちゃんはどうしたらいいのか分からなくなります。実家の近くのお菓子なんて食べたら蓮二さんがほんとに行っちゃうんじゃないか、みたいな。
黙っていたら柳は首を傾げます。
「美味いですよ?」(けっこうKYだといい、という)
「……そんなのどうだっていいもの」
「じゃあなんだ」(柳は杏ちゃんに対して敬語とタメ口半々くらいで)
「いらない」
「は?」
「お菓子なんかいらない!兄さんにでも持っていけばいいでしょ!?私のご機嫌取りなんかしなくたって、山くらい下りられるわよ!」
って叫んじゃう杏ちゃん。はあ?ってなる柳。実を言うと、杏ちゃんに下山のことを言われて、いろいろ考えていたのは柳も一緒だったのですが、実家に戻ってみて何となく今の自分は山の方が性に合っているなあと考えていたのです。まだ住職になる気構えが足りない、というような。それに山には聖俗入り乱れた人間模様があって、隠居のように下山するのも少し退屈だろうか、とも思いました。でも杏ちゃんに言われたことも引っかかっていました。だけれど今の杏ちゃんの言葉に思わず笑い出してしまう柳。
「何がおかしいの!」
いきり立つ杏ちゃんに、余計笑いが止まらなくなる柳。
「いえ、そんなことか、と思って」
「そんなこと、じゃないわよ!だって…だって蓮二さん、山を下りるつもりなんでしょう?」
最初の方は大声だったのに、最後の方は気落ちした声になってしまった杏ちゃんに、柳はやっぱり笑ってしまいます。
「どうだろう?」
「…え?」
「俺は山を下りるだろうか?」
いたずら心でそんなことを言う柳に気が付いていない杏ちゃんは、必死になって言います。
「だって、兄さんが、下山したら住職になれるって言ってたもの!私が言ったって止めてくれないって…あっ!」
「私が言ったって、か?」
「ちっ違う!なんでもない!なんでもないから!」
真っ赤になって否定する杏ちゃんに、ついに声を上げて笑ってしまう蓮二和尚。
「お兄様に俺を山から下ろさないように嘆願してくれたのか?」
と笑いながら言う柳。杏ちゃんは恥ずかしくなってノートとかペンケースとかを投げたりしだします。結構わがままお嬢様だといい。
「違うもん!蓮二さんなんか下山しちゃえばいいんだ!…違う…け…ど…ほんとは…」
と最初は物を投げたり大声を出したりしていますが、やっぱりしゅんとしてしまう杏ちゃん。その杏ちゃんのところに柳は近づいて、小学生の頃にそうしたように杏ちゃんの頭を撫でます。
「心配しなくても、俺は当分山を下りるつもりはない」
「…え…?」
「まだ学びたいこともありますし、どこかのお嬢様が寂しがって眠れなくなったら僧正様に顔向けできませんし」
「大丈夫だもん!」
と杏ちゃんは言いますが、目許はちょっと赤くなっているのですよ!涙目の杏ちゃん可愛い。
「はいはい。俺はどこにもいくつもりはないから、とりあえず安心しておけ」
「…子供扱いしないで!」
と言いながらも、嬉しくなってしまった杏ちゃんはなんとなく柳の胸板に額を押しあてます。甘えるみたいに。
「どこにもいかないよね」
「まあ、また杏から山を下りろと言われれば分からないな」
「意地悪。もう言わないから」
「分かりましたよ…そうだ。杏のために桔梗の根付を買ってきたから。あちらは咲いているんだ。お兄様には内緒だぞ。甘やかさないでくれと俺がお叱りを受ける」
なーんて言って綺麗な根付を渡して、杏ちゃんも安心する、なんていう妄想を帰ってからしました。密教も禅宗も混ざった感じで申し訳ないですが、こんな事ばかり考えている私はきっと煩悩を断てないんだ。まあどうせそんなものです。
妄想が長くなりすぎました。マニアックですみません。長くなりすぎたので旅行の備忘は後半をそのうち書きます。
拍手ありがとうございます。遅くなってしまい申し訳ありません。先日押してくださった方もありがとうございます。やる気をいただいて、頑張ります!