囲碁の話

お先に。拍手ありがとうございます。頑張ります!嬉しいです!
ブログ拍手もありがとうございます。風栞ー!!!風栞初めて話を楽しんでいただけたならばとても嬉しいです。チャットの方もほぼ風栞しか言ってなかったのですが、読んでくださってありがとうございます。
さて、唐突ですが、囲碁の話でっす。
特に漫画関係ないので追記にたたみます。ヒカ碁の話が出てくるくらいです。ヒカ碁分かる人いますかねって前も書いたのですが、ヒカルの碁という漫画が昔ジャンプにありましてね。一大ブームを築いた漫画でしてね。
わりと真面目×湿っぽい×真面目みたいな話なので、あまり面白くないかもしれません。
ということで追記から囲碁の話。


呉先生の訃報に接して。
藤沢先生に続いて呉先生までもお亡くなりになるとは。ぽっかり穴が開いたような気分です。しかし100歳、天寿を全うされたのだと思って悲しみをこらえています。
碁の神様、と呼ばれた方で、呉先生は本当に現代囲碁の基礎を形作られた方ですし、同時にこの呉先生と藤沢先生がいらっしゃったからこそ今の日中囲碁界の交流があったのだろうと思っています。
囲碁の布石は100年200年と受け継がれるもので、例えば将棋の指し回しの手順は1年あれば流行が変わり、新たなものが生まれ、というのを繰り返すスピードです。これはまた囲碁とは違う側面で、研究スピードの速さという素晴らしさがあります。対する囲碁は一つの型が出来上がると盤の広さもあり、それはそうそう覆すことが出来ず、長年受け継がれることになります。それこそヒカルの碁でヒカルが憧れた本因坊秀策の時代から同じような布石が今も残っているのです。
そこに一石を投じたのが呉先生と木谷先生によって考案された「新布石」という形でした。これが現代囲碁において新たな囲碁の形を造っていく礎になったと私は確信しています。
先日の新聞記事の特集で張栩が新たな布石の創造に挑戦しているという記事がありました。以前には武宮先生が宇宙流という布石を創り上げ、後に韓国トップ棋士の李棋士に「世界の碁を一人で変えてしまった」とまで言わしめた、布石という一つの形の創造を成し遂げました。布石を考案し、創造するというのはそれだけで一つの時代を作ることです。その中で、呉先生と木谷先生が創り上げた「新布石」は、そのあとに続くすべての新たな布石の礎でした。中央指向の新布石は、武宮先生の宇宙流にも、張栩の中央へ広がる新たな布石にも通じるものです。新布石がなければこれらの布石は誕生しなかっただろうとすら思います。
呉先生の華麗な打ち回しは本当にたくさんのファンを、そしてプロ棋士を魅了してやまなかった。
同時に、囲碁というのは戦いの場ではなくて碁石の調和と言われた方で、私の師匠たちは皆これを言い、私に教えてくださったので、私の中にある「碁は戦いではなく対局相手と作り上げるもの」という志のようなものは、おこがましいながらも呉先生の教えと思っています。
中国福建省のご出身で、先生は2度日本に帰化しています。詳しくは割愛しますが、大戦の煽りを受けて一度日本に帰化していたことが無効になり、その後また日本に帰化した方です。そのこともあり、そして上に書いた「碁は調和」という考えもお持ちでもあり、日中間の囲碁の交流、ひいては囲碁を通した世界平和に尽力された方でもあります。
以前に亡くなられた藤沢先生もまた、来るもの拒まずの精神で日本の棋士のみならず中韓の棋士からも大変慕われた方でした。そういった大先生が亡くなられていくのが惜しくて、悲しくて仕方がありませんが、弟子の高尾先生や、井山先生や村川先生といった若手、そして張栩先生や依田先生といった世界戦ベテラン勢がその意思を継いでこれからも世界との交流を絶やさず、囲碁という一つの世界を発展させていってくださることを、一ファンとして願っています。
ヒカルの碁の最終章は、ヒカルが北斗杯という日中韓団体戦に臨みます。私はこのエピソードがとても好きで、佐為がいなくなってヒカルが一人で戦う中で、秀策の時代から、それよりもずっと前の佐為が生きた時代からの碁を継ぎ、繋げていくことが自らの使命だとヒカルは最後の対局で負けた韓国代表の高永夏に言うのです。それに対して高永夏は「それはみんな同じだ。お前だけじゃない」というようなことを言うのです(高永夏自身も秀策をはじめとした日本の昔の棋士を尊敬しているのです)。誰しもが過去の誰かの意思を継ぎ、誰しもが今の戦いに全てを懸け、それを通して相手と調和し、新たな意思を生んでいく。千年二千年の昔からずっとそうやって生きてきた囲碁という一つの世界の可能性を感じるラストで、本当に好きでした。
それは囲碁だけじゃないんだよ、ということを教えてくださった呉先生に心から感謝の念を捧げて、哀悼といたしたく思います。
木谷先生とか、藤沢先生とか、先に行っていた先生方と、きっと今頃、天上の碁を楽しんでおられるのでしょう。

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