人斬り依存症とかいうあれ

お先に。

拍手やブログ拍手ありがとうございます。いろいろたくさん押していただけて嬉しいです。やっと普通の更新をちょっとずつできるようになってきて良かったなあとしみじみ思っております。

ひと月前から書いていたんですけど体調とか時間とかいろいろあって伸ばし伸ばしになってしまっていた童子切さんと三日月さんの話を追記に(式姫)。果てしなく百合っぽいけどどうなんでしょうね、これGLに見えるっちゃ見えるので苦手な方はご注意ください。前の夜摩天さんと閻魔さんの話よりはGLっぽいです。が、そもそも三日月さんが出てくるのが3,4行なのでどうしようもない。基本的に童子切さんと知流さんが飲んだくれて話をしているだけの話です。これはひどい!というレベルで知流姉様が巻き込まれてます。

というのも草子で知流さんを本拠地に置いてたら三日月さんに言及するセリフがあったんです。最近まで気づかなかったのですがその辺から三日月さん可愛いよーってなってきて、童子切さんの気持ちが分かったので(嘘八百)、今回こんな話になりました。タイトルの四字熟語そのままな感じの内容ですが童子切さんは三日月さんに対してこのくらいのことは普通に考えていそうで困る。

刀付喪神は趣味でそろえてしまうのでうっかり枠が圧迫されます。趣味枠多すぎて育成に支障を来すレベルには刀付喪神と閻魔さんに枠を圧迫されています。大問題だ。これでほんとは髭膝も置きたいとか思ってるんですけどさすがに無理…と思いつつもし今日七夕と一緒に特髭切ちゃんきたら置いちゃうかもしれない…お揃い衣装可愛い。

そんな感じで追記に童子切と三日月と知流の話。ゲスト月読様。

愛月撤灯

 

「貴女といると剣が鈍りますねー」

「人に向かって刃物を向けるんじゃない。そんなことも教わらなかったのかい、あんたは」

そう言って煙管で剣先をなぞれば、童子切は可笑しそうに笑って太刀を納めた。

「そりゃあ教わりましたよー。曲がりなりにも刀の付喪神ですからねー矢鱈に斬ったら頼光殿に主様が怒られてしまいます」

「じゃあ何が御不満かな」

そう言ったら彼女はうーんと首を傾げる。首を傾げたいのはあたいだよ。

「知流様は私のこれを不満と覚ってしまわれる」

「子供だねえ。三日月かい」

「仰る通りですー」

ニコニコ笑って、童子切は懐から徳利を取り出した。

「付き合ってください。知流様は飲めますよねー?」

「ああ、お待ちよ。うちの酒を出してやる」

「いいんですかー、天界の酒を出したりして」

「構いやしないよ。どうせ親父の酒だしね」

 

 

『知流さんの煙を吸うとだいぶ落ち着くわ』

『……三日月さん、ここに来てからいいことづくめじゃないですかー』

『不思議なところ、ね、ここ』

 

 

「主様には斬りかからないし、料理は作るし、貴女の煙で落ち着くときた。愈々もって私は三日月さんにいらなくなりそうです」

杯を空けて言われたそれにあたいはちょっと目を見張った。どこをどうつついて、三日月に童子切が必要ないって?

「あんた…ちょっと考えなしじゃないかい?」

「どうしてですー?考え抜いた結果です。もう三日月さんは私がいなくても大丈夫なのかなーと」

ああ、子供だ。本当の子供。自分の居場所が三日月の中からなくなるなどと考える、生温い、子供。

「でも、人を斬らずにおしとやかにしている三日月さんなんて、三日月さんなんですけど、なんというか、三日月さんじゃないんです」

子供が駄々をこねるように、構ってもらえず拗ねるように、童子切はそう言った。

「こんなことならここに連れてこなければ良かった、なーんて」

にこっと笑った童子切にあたいはもうどうしようもないくらい馬鹿馬鹿しくなってしまう。馬鹿馬鹿しい。月読と甘味処に行きたいね。

童子切が三日月をここに連れてきたのはなんだろう。確かに友人としてその剣技を信頼してのことだろう。その一方で彼女の中にあったのは―――

「だってひどいじゃないですか。私だけだったんですよ?三日月さんに斬りかかられて止められるのも、彼女をなだめられるのも、全部全部私の特権だったのに」

不服そうに、彼女は言った。

「みんな、私から三日月さんを盗ろうとする」

「盗れるもんかい」

間髪を入れず応えれば、童子切は不思議そうにこちらを見た。

「馬鹿だねえ、子どもだねえ、あんたは。三日月があたいの煙で安らぐのだって、陰陽師に斬りかからないのだって、さくらの手伝いをするのだって、あんたがいるからだろ」

「……?」

「あんたがいなきゃ、」

「童子切さん、ここにいたの?知流さんと一緒?珍しいのね」

「三日月さん」

あたいの言葉を遮る形で、完全に気配のない状態からあたいら二人に背後から声を掛けたのは三日月だった。

「さて、あたしゃ月読と甘味処に行く約束だったんだよ。もう行くけどいいかい、童子切?三日月もこの子に用事なんだろう?」

「そうなんです、ちょっと手合せの相手を探していて」

「いいですねー!ちょうど程よく酔いも回ってきましたしねー」

「髭切ちゃんと膝丸ちゃんが手合せしていたの。軽い運動は必要だと思って」

嬉しそうに話す三日月と、彼女が来たらあたいなんてどうってことないようにはしゃぐ童子切に、あたいはそそくさ立ち会がった。ああたまったもんじゃあないね。

 

 

「狗賓さんも今日は誘って行こうかと思うのですけれど」

「ああいいねえ、あんたたちは本当に甘いものが好きだねえ。早く行こう」

「……月を愛するあまりに明かりを消してしまわれては、堪りませんものね」

くすりと笑った月の申し子に、あたいも思わず笑い返した。

月ヲ愛シテ灯ヲ撤ス

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