「環状線ミレニアム」に感想をいただいて泣きそうになりました。本当にありがとうございます!ほんっとに笑いと萌えと燃えのバランスが素敵な漫画でした。おススメです。
そんなこんなでおススメ漫画。
書きためていた日記を更新して何となく更新した気分になる第二弾です。2つほどおススメの漫画を紹介したいなあとふと思い立ったのが1年前(いくら何でも遅すぎる)。ちょこちょこ語っていたのですが、あんまりダイマすることないなあって自分のサイトを見ていて思ったので、たまには同人関係なく単純な感じでおススメの漫画を紹介する記事があってもいいんじゃないかなとゆるーく1年前の1月に考えていたのでそれを推敲してみました。
そんなおススメ1つ目。
ファンシィダンス(作:岡野玲子)
これ。実は漫画紹介しようと思った切っ掛けなんですが、一昨年の紅白の大トリというか、スペシャルがサザンオールスターズでした。平成最後の紅白で「希望の轍」でしんみり〆るのかなあと思ったら、「勝手にシンドバッド」で〆たんですよね。最高過ぎた。その時に思い出したのがこの「ファンシィダンス」でした。
前置きがだんだん長くなっていくのですが、「それにしても涙が止まらないどうしよう」という歌詞を一つの時代の区切りとして歌ったサザンですが、この平成についてファンシィダンスの主人公塩野陽平くんが「平成が始まった」ことについて言及する場面があるのです。
それはひどく無感動で、ひどく日常で、ひどく感動的で、ひどく非日常であるというファンシィダンスを貫く哲学そのものだと思うようなシーンなんです。たったの2ページそこらなんですが。
あらすじを適当に書くと、「主人公陽平とヒロインでキャリアウーマン真朱(まそほ)は互いに将来を約束し付き合っていた(1部)。しかし陽平は寺の跡取りであり、修行に行かなければならなくなり二人は離れ離れになる(2部)。はやく帰りたいと思う陽平、もうどうにでもなあれという真朱、しかし陽平はその俗世と哲学の混じり合った修行の中で一つの真理にたどり着いてしまう(3部)。そんなこんなで下山した陽平が悟ってしまいもはや現世で生きていけないことを知り、真朱はもう自分にはとどかないと別れを切り出すが…」というようなギャグマンガ少女漫画です。(ふざけてやがる)
ファンシィダンスは本当にすごくよくできた恋愛漫画だと思っていて、というのは、ラブラブとかそういうことではなくて、陽平くんと真朱さんという二人の間でぼんやりと、それでも確実に交わされる感情が着実に積みあがっていくからなんです。しかもそれは最初から互いのことを愛していていることが大前提なので、その過程を描くんじゃなくて、その愛の出処について陽平くんが修行に行って考え始めるという哲学漫画みたいな面もあるから本当によくできた恋愛漫画だと思うんです。修行というプロセスで離れ離れになるんですが、その時に二人が別々の場所で、陽平くんはお山の寺で、真朱さんはオフィスの片隅で、相手のことを考えて、相手の何が好きで、どこが好きで、だから愛しているんだとその愛の出処を探すっていう恋愛漫画としては特殊ですが個人的に一番好きな流れです。陽平くんはあっかるい(明るくて軽い)のでふとするとただ真朱さんが好きでとっとと山を下りたいだけに見えるんですが、その中で真朱さんを愛している、そしてその愛は、「世界の向こう側にたどり着いてしまった」、つまるところは真理を知ってしまった陽平にとって真朱の存在とはなんであるのか、という大きすぎる哲学があるのです。ハガレンなんかで分かりやすいあの真理と同等のものに真面目に現代人がたどり着いたうえで恋愛をするというぶっ飛び過ぎた漫画なんですが、一度真理にたどり着いてしまった陽平くんはパチンコの玉が打ち出されて跳ね返る様にさえ、その軌道線上、放物線に宿る真理を見出し始めます。外の世界は真理を知るとこんなにも輝く。こんなん付き合いきれねぇ!!と真朱さんが思うのは当たり前で、そこをどうやって恋愛に持っていくのかがめっちゃ楽しいです。いいえ私はおひつじ座の女。
真理を知って、世界の向こう側(人間ではなくなってしまう悟った人となる向こう側)に行ってしまいそうになる時に、現実世界のよすがとなるのが真朱さんだという最高にハイな愛なんですよ。
あと修行時代も楽しいよ!全体的にギャグが面白すぎるので、ギャグマンガとして楽しむこともできます。むしろギャグが秀逸すぎてすごい。
しかし、この真理とかそういうのが全くファンタジーではなく、現実世界の出来事として、普通に考えたら少女漫画か何かのような筆致で、当たり前の日常と恋愛として描かれていく軽妙さがすごいんです。
当たり前のように追記
20年前の漫画なのでいろいろと古いです!(いまさら)
ある意味業界漫画。裏臨●だぞ!と言ってみる。
個人的に好きなセリフを一つだけ
「一瞬、おたくの死にざまを見てみたい、と思った。ごめん」
修行中のこの一言がヨーヘー君への最高の賛辞なんじゃないかなあと思います。英峻うかつすぎんよー。そのあともうかつすぎんよー。たぶん陽平くんの引導なんぞ50人くらい集まっても足りんでしょう、とこれは余談ですが。
ついでにこのシーン単独だと陽平くんがただのクズなんですが、まあそこはそれ。
「御免」と謝るところに英峻のまだ人間であるところというか、ニルヴァーナに到達してしまわない、向こう側に行ってしまわないある種のまともさがあるんだと思います。
もう一つ大切な追記
わりと真面目に30年以上前の漫画なので(親の私物を読んだのが私も初めて読んだとき)、現代の倫理観や価値観にそぐわない内容がわりと頻繁に出てきます。苦手な方はめっちゃくちゃ苦手になる可能性があるので、ご留意いただければと思います。