これが地球(斎沖)

唐突ですが斎沖現パロです。
斎藤さんがだいぶ残念なイケメン。何をやっているのかもう誰にも分からない状態です。

昔漫画にあった「これが地球という星なんだよ」って台詞はじめちゃんなら言えそうだなって思ったけども実際にやってみると大変なことになるなと思いました、主にはじめちゃんのメンタルが。沖田さんは優しいね。

 

 

「最初、最初はね!」

 酔っ払った斎藤さんはそう言ってビールのグラスを叩きつけた。ジョッキじゃないだけマシなのかもしれない、と思ってから、この人これでもまともになったのかも、と詮無いことを考えた。

「そういうところが、カッコよくて好きってみんな言うの! わかる!?」
「……」
「聞いてる!? 沖田ちゃん聞いてる!?」
「聞いてますけども、斎藤さんのどの辺がカッコいいのか私には未知数でして……」
「酷い、ひどい、惨すぎる……むごい……」

 なんだこの人、むごいって……。

「ヘラヘラしててカッコいい、何考えてるか分かんない、そういうのが特別感ってさ、僕はホストクラブのおにーさんじゃないの!」
「はあ?」
「だからさ、ちょっと個人的な、ちょっといいな、個人的にお付き合いしたいなってなったら『思ってた斎藤君のイメージが崩れた』って言われるの、なにそれ!? 一回目はうまくいくのわかる? セフレになりたくてみんなぼくとつきあおうとするの? ひどい、むごい……」

 泣きながらそう言ってきた斎藤一さんは、高校生の頃からの同級生……同級生というか、剣道部で一緒だった人で、結局大学まで同じだった、今は勤め先が違うけれど社会人になってからもお友達を続けている男だった。そうは言っても『女に困っていない』とか『ヘラヘラしているから』とか『一回痛い目見た方がいい』とか、土方さんや山南さんや永倉さんから散々な言われようだった彼には彼で悩みがあったようで、わざわざ呼び出されて一対一で飲んでいるというその斎藤さんのお悩みは、「女の子と関係が続かない」「二度目のデートで捨てられる」というなんというか可哀想だけれど、ある意味でこのヘラヘラ男にしては「然もありなん」という内容だった。

「斎藤さんは結局どうなりたいんですか?」
「気の合う子と何かの拍子に出会って、何かの拍子にお付き合いが始まって、一年くらいしっかりお付き合いして、仲を深めて、互いの家族に認められて幸せな結婚がしたい……」
「拗らせすぎて具体的過ぎる……」
「だって、だって……」

 ぐずぐず泣きながらそう言った斎藤さんは、だけれどなんと言うか……。

「斎藤さんってヘラヘラしてますかね?」
「してないよ。僕はいつでも至って真面目です」
「斎藤さんってカッコいいですかね?」
「どうせ僕の顔は平均以下ですよ。土方さんみたいにはなれません」
「じゃあなんで……」
「それが分かったら苦労しないんだよ、だから困ってるしだからこんな、もう、こんな目に遭いたくないから沖田ちゃんに相談してるのに、ひどい」

 酷いと言って泣く斎藤さんって……なんて言えばいいんでしょうね、もうここまで来ると。というかこれ、相談だったんですね、今の今まで愚痴だと思っていました。

「でも……よく考えたら沖田ちゃんは僕がヘラヘラしてないことも、僕の顔が平均以下なことも分かってるね」
「え……」

 なんでそんな酒に酔って据わった目でこっちを見るんですか、なんか急に真面目にならないでください、と言おうとしたら唐突にその酔っ払いが手を伸ばしてきた。大丈夫ですかね、水飲ませましょうか?

「……僕と付き合って」
「……いいですけど」
「え」

 心底驚いたように斎藤さんは言った。ていうかこの人、大学卒業して、社会人になってからも女の人と一対一でお酒を飲むことに抵抗もなくこうやって呼び出したりするから勘違いされるのでは? 人間性を疑われて最終的に捨てられるのでは? こういう時に永倉さんや武雄さんを呼べばいいのでは? 私を呼ぶ時点で……

「結婚前提でいいの? セフレじゃなくて? ほんとに? 沖田ちゃん大好きだけどいい? 捨てない?」

 今の段階で既に捨てられた子犬みたいな顔をしている斎藤さん可愛いと思いましたが、それを口にするのはちょっと可哀想な気もしたので一応言わないでおいてあげましょう。

「斎藤さんこそ、突然ヤリ捨てとかしないでしょうね?」
「なんでそんなこと言うの、そんなことしないよ、しかも相手沖田ちゃんだよ? 本命なのに……」

 ……ぽろっと凄いこと言ってますけども、これを聞かせたらやっぱり永倉さんや武雄さんからはぶん殴られる気がします、この人。

「ねえ沖田ちゃん、暑くない? 寒くない? これが地球という星なんだよ……?」

 この人、大丈夫でしょうか?

「まあ、地球にはこういう男の人も存在しているんですよねえ……」

 長い付き合いだから知ってましたけども。

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