人は獣(FGO・茶の湯バトルの石田三成)

すみません、長い話が書けなくなったので短いです。
びっくりする程話を書くスピードが落ちてしまっていて書きかけの話やえろどうじんが溜まっていくのですが、書き上がったので三成君と前田さんの話です。

ここから日記帳

彼岸明けに海沿いのでかい寺に行ってたんですが、特に予定も伝えずにふらっと行ってふらっとお参りした後、受付に喜捨とお土産置いて帰ろうとしたら(でかい観光寺だから拝観時間があってちゃんと受付や拝観料の入り口があるのでそこの方に伝言とそれ置いて帰ろうと思った)「何しに来たんですか」って知り合いに見つかったので「冬になると地吹雪でうちの山からここまでの道通れなくなるから彼岸開けて暇だろうし人もいないからと思って来ただけです」って本当のことを言うしかなかった。「相変わらず人間嫌いすぎませんか?」と言われた。失礼過ぎる。ていうか何しに来たって別に平服だし参拝客だろ(暴論)。

ここまで日記帳。ここから小説の話。

ぶっちぎり茶の湯バトルで「人は獣」という理由で秀次事件というのがFGOの秀吉でしたが、たぶん利休居士の時もそうだし、そうしてそれを三成くんは分かっていないんだろうなあというのを前から何となく思っていて、暇だったので改めて茶の湯バトル読んで思ったので書きました。

前田利家が喋っていますがぐだぐだで出ていないと思ったけど、ぐだぐだエースで出てたらすみません、記憶にない(ひどい)。
三成君ってああ見えてなんかこう、悪いこと出来ないっていうか、性善説というか「人が正しく判断した場合、人が誤らない場合」という優しいところがあるんだよねと思う。史実からしてそうだけども。

 

欺瞞

「嘘は嫌いです」
「ああ」
「欺瞞も、裏切りも、嫌いです」

 はっきりと言った三成に、私は一つ頷いて首を傾げた。

「では私は信に値するか?」
「……そうですね。そうでなければあなたであっても首と胴が繋がっていません」
「怖いな……」
「……冗談です」
「冗談に聞こえん」
「……刑部殿や左近にも言われます。もっと上手く冗談を言えと」

 そう言われれば微かに笑いが落ちた。

「冗談に上手いも下手もあるまいよ」

 ああ、この男は欺瞞の一つもない世界に生きているのだとなぜか思った。
 なぜか? 違う。この男には欺瞞が分からない。この男には裏切りが分からない。
 そのような世界に生きているのだ、と。
 欺瞞に晒されて生きてきた我が身にそう思った。
 そんなはずはない、彼にもさまざまの事があったと知りながら、彼の世界はなんと美しいのだろうと思った。

「おまえの世界は美しすぎて、耐えられんな」
「何か?」

 小さく呟けば仰臥する私を見た彼を振り返れば短く問われ、私は小さく首を振った。

「馬鹿だなあ……」

 三成が、ではない。秀吉が馬鹿なのだ。いや。

「嘘や欺瞞がないから横に置いたのだとすれば、本当に馬鹿だなあ」

 呟いてからふと思った。
 確かに秀吉は清廉でも潔白でもなかった。だがそれでもその信義を信長公は或いは買ったのだろう。
 確かに信長公は清廉でも潔白でもなかった。では私はなぜこうして生きている?

「清正たちの言いたいことも分かるから、おまえにも言っておく。もちろん、清正たちにも言ったし、一応三河のアレにも言っておいた」
「……は?」
「私はどちらにも同じことしか言わない。茶々や秀頼のことはさすがに知らない。そこまでは面倒を見切れないから」
「あの……?」
「というかそこまで秀吉から頼まれていないから、か。秀頼のことを頼まれても、秀頼に仕えるのは私ではなくて利長だし、この話は前田家としてではなくて、私が個人的におまえや清正たちにしているだけだから」
「利家様?」
「人は獣だと秀吉はおまえに言ったそうだな」
「あ、の」
「それはそうかもしれないが、見境なく争うな。事を荒立てるな。秀吉が『人は獣だ』と言うのなら、間隙を衝けるのは人が獣ではない時だ。あるいはその中で獣ではない者だ」
「何を……?」
「私は秀吉がすべて正しいとは思わない。だが、その言葉の真意は少なくともおまえよりは分かっている。秀吉のことなら分かっているつもりだ」

 その言葉に三成は目を見開いた。反駁したいことがあるのだろうか。だが少なくとも、私は清正よりも、三成よりも、家康よりも……茶々よりも、分かっている。いや、茶々ほどは分かっていないだろう。だが淀君と呼ばれる彼女よりは分かっているはずだ。それに今なら信長公よりも分かっているかもしれない。

「三成、考えることを惜しむな。おまえにはそれが出来る。なぜ人は獣だと秀吉が恐れたか考えろ」
「恐れた?」
「あれが恐れではなくなんだ。太閤秀吉にあの時恐れるものがあったか? あの男に『死』よりほかに恐れるものがあの時にあったと言うのか?」

 欺瞞、裏切り、嘘。
 それが嫌いだと言うのなら、おまえの世界が美しいままでありたいのなら、おまえは本当はこんなところにいてはならなかった。だがそれは言っても仕方のないことだ。
 だから。

「見境なく争うな。事を荒立てるな。争う境を決めろ。事を荒立てる時を選べ」
「それは」
「人が獣であるのなら、秀吉がそれを恐れたのなら、豊臣の天下をかすめ取るのは容易いぞ」

 三成に私はそうだけ言って彼を帰した。
 それ以上は少し贔屓が過ぎる、と思った。
 そうだ、容易い。人が獣だと秀吉が思ったのならば、間違いなくその『恐ろしさ』を感じていたのなら。
 その世界で欺瞞を許さぬのが三成なら。

「しかし、気づけぬのなら家康にも目はあるだろう」

 だがそれを言うのは贔屓が過ぎる、それにこの身はどうせ保たぬ。

「え? 犬千代の言うことが難しいって? 人は獣だとかサルが言ってたんじゃろ? それってサルも勘定に入ってんでしょ? 石田某、おぬしはちゃんと勘定書きに入ってんの?」
「……は?」

 信長公が煎餅を食べながら言った。そうして笑う。

「そりゃそうじゃろ。サルってば馬鹿じゃないからあそこまで行ったんじゃし。ああいう時に一番怖いのって『自分自身がそうだから』以外になんかあるか?」

 では殿下は、利家様は――

「あ、茶淹れてくんない? これなんでワシが若干作戦立案してんの、おぬしがいたから出来てるとこあるけどさぁ……人斬りサークルも邪馬台国ももっと頑張ってよ」
「信長公、それは……」
「ああ、おまえにしろサルにしろ、ていうかそもそもそうやって釘刺して死にやがった犬千代自身が獣だから、以外あるか? だからこの話お終い」

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