今年最初の小話になります。
いつも通り永斎のウサギ話です。前も書いていますが「雨の日」という以前本にした斎藤さんがなんか半分ウサギで(🐰)永倉さんに拾われていくというなんかそういう現パロです(大雑把)。
HPに一話目がありますって前にも書いたけども、わりと一話目時点でカオスなのでなんとかしてくださいっていうか、せめて斎藤うさぎが大学生くらいまではいかないと本当になんかただのウサギの話になってしまうので再録しないと……
と思いながら、こちらのウサギも増えていく一方なので、こちらも含めてうさうさ本に収録予定です。🐰本いつ作るか決めかねている最大の理由がここというか、どんどん増えるので何とかどこかで折り合いをつけたいのもありつつ、とにかく全部うさぎを収録したいのもありつつ、というところがあります。
可愛い本にするかスタイリッシュなウサギにする、それともなんかふわふわしたウサギにするか迷います。楽しい。
そんな感じですが、「雨の日」の高校卒業前の大学決まったあたり、いろいろと乗り越えた二人の年越しから新年です。
今年もウサギをよろしくお願いします(🐰広報)
年月日
大みそかから年明けにかけての特番を見なくなったのはいつごろからだろう、と考えて、それがこの家に来てからだと思い出す。
「見なくなったっていうより……」
特別なことしないで早く寝ろってそればっかり言われてた、気がする。そう思いながら何となくタブレットを着けてみる。スマホだとちょっと小さいし、と思って。
それから紅白とか? バラエティ? 何しよう、と考えてみた。
「んー……?」
よくよく考えてもやっぱり、新八たちが言うようにそんなにも特別なことってないのかもしれない、と思ってしまう。今日の昼まではお母さんと一緒に御節作ったりしてたけど、それも毎年だし、年越しそばにはコロッケつけてもらえたし……。
「……?」
あれ?
「ふつう……」
大学決まった。ていうか推薦もらえてよかった。あんま受験勉強したくねえし。二次より共通が一番めんどいんだよね、って言ったら兄さんからすごい嫌そうな顔されたけど。高校はちゃんと年末年始の休み。……大学のことで新八とそーいう……恋仲っていうかそういう関係になって、まあ、ずっと部屋一緒だけど。
「ていうか新八ってやっぱり変態なんじゃないの」
そう言ってみてからくるっと耳を回してみて、耳、と思う。
耳、尻尾。
普通の生活? ふつう……。
「拾われるまで普通ってあんまり……よく分かってなかったかもしんない」
呟いてみて、スリープ画面の黒い液晶に映った自分の姿と、それに不釣り合いなのかもしれないウサギの耳を眺める。
「……いいのかな」
普通にしてていいのかなあ、と今更のように思ったらなんだか不安になった。不安になるのもウサギだからだろうか。ウサギだから? ウサギのせいにしてんの? それともウサギだから駄目なの?
そう思っていたら耳が垂れてしまった。分かりやすいって新八は言うけども、だってそんなの仕方ねぇじゃん。
雨の日に拾われて、山南先生んとこ連れてかれて、一緒にいてもいいよって普通に一緒にいたけどなんか、なんかほんとにいいのかなって未だに思うのはたぶん。
「新八が優しすぎるから」
「何が」
「うぉっ、なに!?」
「いや、なんかおまえがタブレット覗き込んでっから。なんも見ねーなら寝ろよ」
そう言ってきたのは、今考えていた新八だった。
灰色と銀の間のような白い髪に、薄い青の目。ずっと一緒だったのに、なんとなくここにいていいのか分からないままだったのに、というか僕はウサギだから、半分って言ったって、やっぱりウサギだからと思っていたのに。それでもなんかいろいろありすぎて、結局一緒にいてもいいって言われて。
大学も決まって、兄さんたちに家族って言われて、新八とはそういう関係になって。
「嘘みたいだなー、とか」
「は?」
「だってさー、ただのウサギだし」
「何言ってんだおまえ」
少しだけ険しくなった新八の顔に構わずに、思いついてしまったら止まらなくなった言葉を続けてしまう。年末だし、なんかもう大掃除でいいのかな。
「新八が優しすぎたんだよ。あんなの拾わなきゃ衰弱死でもしてたかもしんないし」
「馬鹿なこと言うな、何だよ急に」
「それにしたって僕のこと連れ帰ってもそれこそ保護センターにでも……っ」
そう言ったら軽くはたかれて口付けられた。
「なんだ、今日は頓に構ってほしそうだな」
「別に」
至近距離でその薄青の目に見つめられると嘘がつけない、そんな気がする。
嘘が得意か苦手かは分からないけれど、嘘ばかりついていたのは本当だから、そうして新八は馬鹿正直に本当のことばかり言うのも知っていたから、余計に安心して嘘がつけるんだ、と思ったら、僕はだいぶひどい奴なんだろうな、と思ってしまう。
「うそばっかりついてるから構ってもらえないかもしれない」
「斎藤は嘘なんてついてねぇよ」
そう笑って言われて、それが嬉しいのに怖いのはなんでだろう。ふにふにと耳と尻尾を撫でられて、それからそのまま抱えられた。僕だって背の高さなら追い越したのに、どうしてこういうふうにいつまでも弟扱い……弟? それはちょっと不満では、あるけれど。
「兄貴とかずっと起きてっけど、大晦日も普段と変わらんだろ。寝るぞ」
「早寝早起きくらいしか取り得ないからね、新八は」
「うるせーな。意味もねぇのにバカ騒ぎして体調崩す方が馬鹿だろ。初詣だって夜中じゃなくて明日行けばいいし」
「んー……」
少しもったいない気もするけど、と言い掛けて、そろそろ年が明けるのか、と手元のスマートフォンを見て思った。時間が進む感覚とか、なんかいろいろ。
「変な感じする。ここにいていいのかな、とか。僕役に立ってるかな、とか。僕で良かったのかな、とか」
「あ? 斎藤が一番可愛いって連れてきた日に言っただろ」
「言われた」
素直に答えたらそのまま抱えられていつも通りベッドに引っ張って入れられた。そうかもしれない。なんか、年越しとかそういうのより、普通にしてた方が簡単だし。あれ? 去年までって何してたっけ?
「そっか、なんか今年、新八とそういう、なんかそういうあれで、浮かれてたのかもしれない」
「どういうアレだよ」
「……言わせようとすんな」
笑って言われてちょっとイラっとくる。体の関係とかじゃなくて、こい、恋人とかそういう表現でいいのかな?
「不安になるならまだ俺の方がいろいろ足りてねぇのかもな」
「べつに、不安じゃないし」
「嘘つくな」
やっぱり軽く笑ってそう言われた。そのまま抱き込まれたら、何となくずっと長かった日常を繰り返してはいたけれど、と思う。その繰り返しだから、別に大晦日もなにも特別じゃないと言うのも新八の優しさなのかもしれないけれど、それが当たり前になったのは本当にあの日から、雨の日に一緒に帰ってきてからだから。
「なんか長かったような気がする」
「そうか」
「うん、だから」
ごめんと言おうとしたら、また唇を塞がれた。そうしてそのまま離れた時に、目の前にあった綺麗な瞳が笑っていた。
「ああそういや」
「ん?」
「おめでとさん」
「?」
「別段、大晦日も年越しもいいんだが、今時間過ぎたな。誕生日だろうが、おまえ」
笑って言われて、泣きそうになった。ウサギだから、ウサギだけど、毎年祝ってはもらっているけれど、だから。
「あの……怒らない?」
「あ?」
「な、んか、前から思ってたんだけど、みんなもそうだし、特にってのも変だけど、新八に新年に誕生日の祝い言われると、製造年月日じゃない気がして、なんか」
ああそっか。だから何となく、大晦日も年越しも、元日も正月も苦手だったけど、いつも早く寝ろって言われるのに安心してたのかもしれない、とか馬鹿みたいに我儘なこと考えていたんだと辿りつく。特別なことじゃないと言われたら安心できたから、この家は安全な場所だって思うなんてそれこそウサギそのものじゃん、と。
「俺でいいなら一生言ってやるから安心しとけ」
少しだけ不安になったそこに降ってきたのは、いつも通りの明るい声だった。
普通、ふつう、いつも通り。
何も変わらないように、普段通りにそこにいる感覚。
たぶん、それはすごく幸運だったのだろうけれど。
「もう寝ようぜ。いろいろ明日でいいだろ」
「もう今日だろ」
「そういうことは言わんでいい」
そう言われて、何でもないことのように抱きかかえれられる。
あの雨の日がずいぶん遠い出来事みたいに。
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斎藤さん誕生日おめでとう(遅刻)
遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます!今年も永斎を何卒よろしくお願いします🤍💙🐰💕
拝読しました!
こんなに幸せで普通ってなんだっけ?と不安になってしまう🐰斎ちゃん……
でもお正月よりも何よりも、永さんにとっては愛しい恋人のバースデーなんだよ!!
今年もラブラブ永斎スタートありがとうございます!うさうさ本お待ちしております❤️
明けましておめでとうございます🐰
こちらこそ今年も何卒よろしくお願いいたします!!🐰!
今年もウサギ年となっておりますが、読んでいただいてありがとうございました~!!
新年からいちゃついてんなこいつら……!と思いながら書いていたので嬉しいです!永斎はいくらいちゃついてもいいって言われていますからね!(は?)
うさうさ大増殖ですが、今年もうさぎ🐰を始め永斎などお付き合いいただければ幸いです!
うさうさ本、しっかりと準備しましてお届けできますように手配いたします!しばしお待ちください🐰