「なんつーか、やちるも、あんたも、物好きだよね」
「あ?」
「俺のことなんか、放っときゃいいのに」


…………………………………………!?


「……ああ!?」


「見間違いじゃないの?黒髪の死神なんて、いくらだっているからね。一角、酔ってたでしょ?」
「いや、ありゃ、間違いなく檜佐木だったぜ。三本傷にでけえ刺青なんて、あいつくらいしかいねえだろ」
「まあ、檜佐木副隊長だとして、なんでうちの隊長と呑まなきゃならないのさ?」
「…お前、信じてないだろ」「だって、檜佐木副隊長はそうそう気安い人には思えないけど。『あんた』って言ったんでしょ?その上隊長の肩を借りるほど呑むなんて…」
「だから驚いてんだろうが」
「うーん、ほんとだったら、相当面白いネタなんだけどなぁ」
「…馬鹿にしてんのか…」
「ちょっとね…あ、隊長お早うございます」
「隊長、昨日、檜佐木と呑んでましたよね!?あれ、檜佐木っスよね!?」
「ちょっと、一角…!」
「あれー?つるりん、なんで昨日シュウちゃんと剣ちゃんが遊んでたの知ってるの?」

「「シュウ…ちゃん…!?」」

(だっ誰だ?まさか、檜佐木か…!?)
(そ、それって、いくらなんでも、ないんじゃない…?)

「隊長、どう…いう…?」
「あ?昨日は修兵と呑んでたぜ。相当酔ってたからな、今日あたり二日酔いでひーひー言ってるだろうよ」

(ってことは、やっぱり隊長のことを『あんた』って…呼ぶ、のか!?)
(修兵ィー!?…嘘だよね、だって、檜佐木副隊長って十一番隊嫌いなんじゃ…僕とのこともあったし…)


 フッと笑った十一番隊隊長に、斑目と綾瀬川は、混乱の渦に叩き込まれた。




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と、言うわけでおまけでした。
夕闇を書いている時に、アンケートで「職務以外では敬語を使わない」とのコメントを頂き、ぎゃってなりました、いい意味で。見抜かれていたか〜という感じです。職務以外で、というか、お酒が入ると、というか、たま〜に敬語が剥がれ落ちる修兵くん。その方に「一角とか知らない人がその現場を見たら驚愕しそう」なんてコメントを頂いたので、考えあぐねていた目撃者は一角で。普段も敬語なので、考えてくださったのとは少し違うかもしれません。うちの修兵くんと剣八の関係はこんな感じです。
んー、でも「シュウちゃん」は周知の事実な気もしますが。お付き合いいただきありがとうございました。