『今日は湯浴みをしたら私の隣ではなく向かいの対に行ってね……姉上』

 そう言ってから「キャー!望美が姉上ですって!兄上の対に行ってなんて自分で言葉にしてもすごいわ!」と自分で言ったことに感動したり恥ずかしがったりして朔に手が付けられなくなったのは言うまでもない。そうしてその反応のために望美も真っ赤になってどうしようもなくなったのも言うまでもない。
 そういったやり取りを経たのちに、望美は湯浴みを済ませると景時の部屋に行った。何度か入ったことはあるが、こんな夜更けは初めてだ。燭台の明かりがその部屋をゆらゆらと照らしている。望美や朔の部屋と変わらない奥行に思えたが、いくぶん広く感じるのは実際にこの屋敷の主の部屋だからかもしれないし、着物や帯などのこまごましたものが散逸していないからかもしれない。或いは几帳の向こうの床が一つで、だから、などと考えて望美はぶんぶん首を振った。
 などと景時の部屋を改めてまじまじと観察していたら不意に肩に重みを感じて望美はびっくりして振り返った。

「入らないの?」
「かっ…景時さん…」

 消え入りそうな声で返答してから、ぷしゅうと音が出そうなほど真っ赤になってしまった望美に苦笑しつつ、景時は上手に彼女を部屋に入れる。あれよあれよという間に几帳の向こうまで歩かされれば、やっぱり床は一人で寝る分しかない。それに言葉にならないような反応を見せている望美の髪を何度も優しく撫でて、景時は望美を自分の膝の上に座らせた。そうして後ろからあやすように抱きかかえる。

「ごめんね〜。さすがに今晩床並べちゃうと女房達に何を言われるか分からないからさ。狭いけど我慢してね。あれだったらオレ一晩くらいなら縁側でも大丈夫だよ?」
「……え?」

 しかし大事そうに望美を抱えるその優しく愛しげなしぐさに反するような言葉に、きょとんと望美は目を丸くした。

「あ、あの…景時さん?」
「ん?苦しい?」
「いえ…その…あのです、ね。今日って祝言の日でしたよね」
「……そうだね」

 望美が言わんとしていることをくみ取って、景時はばつが悪そうに後ろから抱きしめる彼女の肩口に顔を埋めて言った。そんなことをされてしまうから、望美は振り返りたくても振り返れない。

「あの…祝言を挙げたら、その…その日の夜はしょ、初夜って聞いてて…その…」

 これでは自分だけがはしたないことを考えて勝手にドキドキしていたみたいだ、と望美は思って羞恥で真っ赤になりながら言った。その赤く染まっていく耳や頬を見て取って、景時は自分の甲斐性なし具合を呪った。しかしこればかりはどうしようもないし、望美の顔を見て言えるほどの胆力は景時にはない。顔を見てしまえば、堪え切れなくなりそうだ、と言い訳して、彼は彼女が絶対に振り返れないようにきつく抱きしめて言った。

「望美ちゃん、振り返らないでそのまま聞いてくれる?」
「あ…の…はい」

 いつになく低く真剣な声に、望美はどくりと自分の心臓が鳴るのを想った。今まであった睦事への緊張ではない。むしろ、景時が無理をしている時に感じる不安だった。

「望美ちゃんってこういうことしたことないよね?」

 ほとんど確信した状態で確認のように言われて、望美は羞恥に震えながら彼の腕の中でこくりとうなずいた。疑われているのだろうか、と一瞬思ったが、肩口に落とされた吐息はそういう類のものではない。安堵でもなければ嘆息でもない、ただただ自嘲の色だけがそこにはあった。顔が見えていないのにそんなことが分かってしまうから、望美はなんとかしてこの景時の手を振りほどいて振り返りたいと思うが、彼の力はとても強い。振り返って彼にだいじょうぶだと言いたいのに、言えないのが苦しかった。そう思ってから、自分は何をだいじょうぶだと言う気なのだろうと望美の中に一片の不安がにじむ。

「今日さ、改めて将臣くんから聞いたんだけど、向こうの世界じゃ二十からお酒飲めたり、大人の扱いになったりするんだよね」
「…はい」

 静かに問われて肯定すれば、景時はもう一度息をつく。

「これから話すことでたぶん君はオレを軽蔑すると思う」
「え?」
「うん、でもそのまま聞いてもらえると嬉しいな」

 そう言われて、そんな痛々しい声に望美は無理やりにも腕を振りほどこうとしたのに常では考えられないほど強く抱きしめられてそれは叶わない。こんな土壇場で、彼が大人の男で自分はほんのか弱い女なのだと思い知らされる。

「こっちの世界では、十二、三歳かな、そのくらいで女の子も大人として扱われるんだ、裳着っていってね。だから、なんていうんだろ、オレも今日君を抱くのありかなって思ってたんだけど、さ」

 直截な物言いに望美は赤くなったが、その真意が別にあることは聞いているそばから分かってしまうから景時の次の言葉を待った。

「だけどやっぱり駄目だなって。二十からお酒とか、大人とか、望美ちゃんはすごく大人びていて頑張ってきたけれど、本当はもといた世界で考えたらこっちと違って結婚なんて考えられない歳のはずだ。それをさ、オレの気持ちだけで手籠めにするのはなんていうか駄目だよね」
「そんな、景時さんだけの気持ちじゃ…!」
「オレのせいだって。君の気持ちを踏みにじってばかりでほんっとに汚い奴でごめんね?」

 囁くように言われて、望美はそれが嘘だとすぐに分かった。彼の嘘は分かる。嘘が分かる?違う。景時が苦しんでいることが分かるのだ。その真意が知りたい、と思った望美はほとんど渾身の力でもって景時の束縛をはがしてしまった。

「わっ!」
「景時さん、私実はけっこう武闘派なんです。知ってたでしょう」
「参っちゃったなあ〜。望美ちゃんてばオレより強かったの忘れてたよ」

 束縛していた景時の腕から抜け出して、望美は振り返る。そこにあったのはひどく傷ついたような泣き出しそうな景時の顔で、望美はくしゃっと顔をしかめると、彼の胸板にとんと手を触れた。

「景時さん、私言いましたよね。屋島で言いました。景時さんの嘘は分かります」
「……奥方様が敏くて参っちゃうな」
「茶化さないで。本当は、私が子供だからじゃないんでしょう?私が子供だからっていうのは、きっと今日将臣くんと話して思いついたウソ」

 だってそうだ、と望美は思う。彼が嘘をついているかどうかなんて本当は分からない。ただ苦しんでいることは分かる。だって彼は先ほどはっきり言った、「君はオレを軽蔑すると思う」と。子供だから手を出さないなんてことで軽蔑になんて至るわけがない。

「本当は、何を思っているの」

 とん、と望美の白く細い指が景時の心臓のあたりをうがった。それに景時は一瞬息を詰める。息を詰めて、それからその息をそろそろと吐いた。

「隠してもしょうがないね」
「……話してくれるんですね?」
「うん。望美ちゃんにはほんとに隠し事できないなあ」

 困ったように、それでも泣き出しそうなままで言った景時は、望美の髪に、頬に、愛しむように何度も手を触れた。

「オレさ、女性を何回も抱いたことあるよ」
「ん」

 別に嫉妬なんてない、と望美は短く答えながら思った。自分よりも十も年上の男の人なのだから、と思っていたが、降ってきたのは全く違う言葉だった。

「縁談もいくつも勧められた。だけど全部断ってきた。梶原の家のためにはならないけど、君も知っての通りオレの仕事はひどいものが多かったからね。大事なものは母上と朔の他作らないようにしていた」

 そこで彼はいったん息をつく。そうしてそれから続けた。

「だけど、さ。オレも男だし、基本的には戦場か暗殺だから気も昂ってね。何人かそういう時に抱かせてもらうだけの関係の女性がいた。あと腐れのない関係って決めた相手が何人かね。君があらわれてオレの中に入り込んでくるまで、そういう人たちがいた」
「景時さん?」
「ね、どう?君のことが好きだから、愛しているから大事にしたいなんて言いながらその実は、今まで女性なんて欲の捌け口にしか思ってなかったヤツなんだよ?そんなヤツに抱かれたくないでしょ?しかも君は初めてで、そんな大事なものオレにはもらえないよ」

 真剣な顔つきで静かに言った景時を見つめること数秒、望美は思いっきり手を振り上げていた。

「ったあああ!!なな、ななに!?」

 バチンと乾いた高い音が寝所に響いて、景時は今自分があらん限りの力でこの幼な妻にぶたれたのだということに一拍遅れて気が付いた。

「やっぱり、嫌だよね…そうだよね…」
「違います。そのまま話進めたらもう一発ぶちますよ」

 自己完結しだした景時に、きっぱりと言い切って望美は頬をおさえる景時を見据えた。

「景時さん、私は景時さんの奥さんになりました。違いますか?」
「え…う、うん。一応は、その」
「一応なんですか」
「いや!オレは本気で君のことを!だからこそ…」
「だったらそんな悲しいこと言わないでください」
「え?」

 景時が目を丸くしたのに望美は少し笑ってみせた。

「景時さんは、今まで作らないように避けてきた大事なものの中に私も入れてくれたから、今こうして結婚できたんですよね」
「……うん。君はオレが家族以外で初めて家族になってほしいと思った大事な人だ」
「私も同じくらい景時さんのことが大事だから、こっちに残って景時さんと一緒にいようって思ったんです。今までのことで嫌いになったり軽蔑したりするはずない。どんな景時さんだって、だいじょうぶだよって私は言える」

 だからね、と続けた望美の言葉を、景時は呆けたように聞いていた。


「私の今までもこれからも、全部あげるから、景時さんの今までも、これからも全部私にくれなきゃヤダ」


 それは優しい我儘。

「望美ちゃん、あの、さ」
「はい?」
「すっごい殺し文句だね、それ」

 そう言って景時は望美の細い腕をとるとふにと口づけた。

「んっ」
「ほんとにいいの?」
「当たり前です」
「痛いらしいよ、最初は」
「そこは景時さんに、その…お任せします…」
「オレ、初めての子とやったことないけど?」
「なんで、そんな、意地悪ばっかり、言うの?」

 顔中に口づけを降らせながら明け透けに言われて切れ切れに望美が羞恥に震えながら言えば、景時はやっと余裕を取り戻したように至近距離で笑った。

「意地悪じゃなくてほんとのことなんだけどな〜」
「や、意地悪っ」

 繰り返されるついばむような口づけから逃げようと顔をそむけた望美の顎をつまんで、景時は今度こそ深く貪るように口づけた。熱い舌がぬらりと歯列をなぞって、その初めて感じる感覚に望美は声にならないくぐもった悲鳴を何度も上げた。

「んっ……はぁ」
「ね、じゃあ望美ちゃんもオレも初めてってことでめいっぱい優しくするから続けてもいいかな」

 酸欠で蕩けたような目をした望美は、ぽーっとしながら景時にしがみついた。

「痛くしないで、ね?」
「御意〜ってね?」

 確約はできないけど、と心のうちでつぶやきながら、そんなことはおくびにも出さずに景時は望美の夜着に手をかけた。





 ぴちゃという音に望美は喉を反らす。

「やあ…ああ」
「う〜ん?嫌そうには見えないけど」
「あんっ…しゃべっちゃ、や、だ」

 望美の胸元に顔を埋めて丹念にその乳房を舐っていた景時が望美の声に応えれば、歯が頂きをかすめて望美はますます羞恥に塗れた。

「望美ちゃん思ってたより感じやすくて可愛いよ」
「や、言わない…で…」
「初めてなのにこっちももうこんなにして」
「あっ、ああ…」

 そう言って景時は秘裂をなぞる。ぐちゅと指先が差し入れられて望美はその緩い快感に仰向けた体を震わせた。実を言えばもう何度もそこは景時の指でほぐされ、何度も絶頂を味わわされていた。今は戯れに乳房をもてあそんでいただけで、放置されていたそちらへの指先だけの緩いその感覚に耐えかねたように望美は身をよじる。

「なあに?口に出して言ってくれなきゃ望美ちゃんと違ってオレは分かんないな〜」

 そう言って少しだけ差し入れた指を引き抜き、景時は濡れたその指先で花芯を丹念にこね回した。

「やあああ!ぁっ…あ、だめぇ!また、またイッちゃ、あ、やあ!」
「気持ちよくなっていいんだよ?」

 毒を流し込むように耳元でささやいてその指先の動きを強めれば、望美はがくがくと震えてつま先まで緊張させた。また達したのを確認して、景時は満足げに笑った。

「中に入れても外を撫でても気持ちいいなんて、望美ちゃんはやらしいね?」
「やぁ…!ちが、ちがうのぉ」
「どこが違うの?」
「ひうっ…!」

 かぷりと耳朶を噛んで囁けばそれだけで敏感になりすぎた望美の体は跳ねる。その一瞬の隙を見て、景時はまたつぷりと指先を彼女の中に埋めた。

「あんっ、またっ…あ、や…」
「そんなに嫌ならやめちゃうよ?」
「やんっ、やじゃ、ないからぁ…あっ…もっと…ぁ」

 必死の懇願もどこ吹く風という風情で景時は笑った。

「もっとどうしてほしいのかな?」
「あっ、やっ言えな、言えないよぉ」

 泣き出しそうな声で言った望美の内に入れた指をバラバラに動かせば、望美はもう身も世もないように喘いだ。それで景時は頃合いかなとその指を引き抜く。その喪失感と、景時の欲に塗れた視線を受けて、望美はふるりと震える。

「じゃあ、今度は望美ちゃんが知らないものをあげる」

 そう言って、景時はゆっくりと硬く勃ち上がったそれをそこにあてがった。

「っ…!」

 先ほどまでとは全く違う質量と圧迫感に、望美は息を詰める。今の今まで景時の指以外に触れられたことさえなかったそこは、先ほどまでいくらその指にもたらされる快楽を受け容れていたとはいえ、景時自身を受け容れるにはまだ狭い。

「ごめん、望美ちゃんちょっと力、抜ける?ゆっくり息吐いて」
「は、い」

 言われたとおりに望美が息を吐くのに合わせて、ゆっくりと沈みこませればそれは望美の中に入っていくが一方で、一つ進むごとに望美は何とか今までとはまったく理由の違う悲鳴を上げないようにぐっと目をつぶって口を引き結んでしまうから余計な力が入ってしまう。その理由なんて百も承知の景時は優しく望美の頭を撫でて、唇に額に頬にとついばむような口づけを何度も落とした。

「痛いよね?」
「あっ、だいじょ、ぶ、ですか、ら…いっ」
「痛いなら痛いって言った方が楽だよ」
「いっ、たく、ないもん…!」

 ぎゅっと目を閉じた望美を安心させるように景時は頬を撫でて口づけた。

「んんっ」
「大丈夫、我慢しなくていいよ」

 口づけの合間に息を交換するように言って、それからつうと頬を伝ったしずくを舐めとる。それからもう一度口づけて、今度は舌を差し入れれば油断したように力が一瞬抜ける。その機を見て景時は自身をすべて納めてしまう。

「全部入ったよ」
「ほん、と?」
「ほんとほんと。よく頑張ったね」

 ぽんぽんと頭を撫でれば安堵したのかじわとまた瞳に涙が浮かぶ。痛みを必死に耐えているのだろう。それを気遣うように撫でた足に破瓜の証である鮮血が伝うのが見えた。それがいやに煽情的だ。望美の初めてを奪ったのだという事実に理性が吹き飛びそうになるのを景時は必死で堪えた。

(いやいやいや、ここまで来て暴走したらオレかっこ悪いとかそういう以前のケダモノになり下がるから!!)

 涙目で痛みや様々なことに耐える望美が健気で可愛らしすぎて、この妻を本当は今すぐ滅茶苦茶にしてしまいたい衝動を必死に抑えるが、そのささやかな努力はその望美自身によって打ち破られた。

「あったかい」
「へ?」

 思わず裏返ってしまった声は、望美の意図するところが今一つ理解できなかったからだった。

「さっきまで、痛かったのに、今は、なかに、景時さんいっぱいであったかい」

 そう言ってほうっと息をついた望美の瞳からつうと今度は安心からくるように微笑みとともに一条滴が流れて、その姿に景時はぷつんと理性の糸が切れる音を聞いた。

「ごめんね、望美ちゃん」
「……え?」
「また痛くしちゃうかも」
「えっ、あっ、や、そんな、急にだめぇ!」

 ぐっと腰を動かされて、急な衝撃に悲鳴を上げた望美に構わず景時は逃がすまいと彼女の腰を捕まえて結合を深くし体を密着させた。

「煽ったのは、望美ちゃんだからね」
「煽ってなんか、な、や、そこぉっ…だ、め…あっん」
「へえ、ここがいいんだ?指じゃ届かないね」
「やっ、ちがっあああ!」
「違わない、でしょ?」
「あああ!やぁっ、やっあああ!」
「くっ…」

 今度こそ的確に望美が反応を示した場所を何度もえぐれば、望美は高く啼いて喉を反らせる。達したそれに締め付けられて、景時も彼女の中に精を吐き出した。





「痛くしないでって言ったのに痛かった」
「うーん、こればっかりは初めてはねー。ごめんね?」

 景時の腕を枕に、ついでに景時の夜着を丸めて簡易的に腰を支えるものを差し入れているという、今できる限りではたぶん一番楽な格好で、じとりと望美は恨み言を言った。景時の身のない謝罪にむうとふくれて、望美は続ける。

「意地悪しないでって何回も言ったのに、何回も意地悪した」
「え〜?オレ意地悪なんてしたかな?どんな意地悪だったか教えて、参考までに」
「そういうのが意地悪だって言ってるんです!」

 ぽかぽかと景時の胸板を叩いて言えば、ごめんごめんとやはり身のない謝罪が返ってくる。

「でも望美ちゃんも気持ちよかったみたいで良かったよ」
「それは…っ」
「うん?気持ちいいのはいいことだよ?これから毎晩やるわけだしね?」
「なっ…!!」

 さらっと落とされた爆弾発言に真っ赤になって絶句すると景時は平然と笑って言った。

「ま、今日は望美ちゃんに殺し文句を言われまくりだったから最後くらいオレもね?」

 最後どころかこれからずっとの生活関わることじゃないかとか、景時の雄の顔を見てしまったことへの羞恥とか、様々な事柄から逃げるように望美は彼の胸板に顔をうずめた。

「景時さんのエッチ」
「ん?なに?」
「分かんなくていいです!」

 叫んでぎゅうっと抱き着けば、それ以上の力で抱きしめ返される。

「幸せだなあ」
「はい」
「今日はこのまま寝ちゃおうね」
「ん」

 さすがに疲れたのかうとうとし始めた望美は気が付いていないようだが、空はもううっすらと白み始めていた。
 長かった夜が明けようとしている。
 その気配を感じながら、この新妻とともに彼もまどろみに身を投げた。