「……? 嘘だろう?」
『灰の塔』に言われたことを、その場にそぐわず考えながら、わたしは法皇の緑の触脚が伸びていることを感じていた。覚られていない。全く覚られていないのなら、わたしのスタンドの能力を聞いているから知っているなんてはったりだろうとしか思えない。
だが、DIOに……DIO様に聞いていた? わたしはこんな奴は知らなかったが、むしろアヴドゥルさんは知っていたから、だとすればそもそも存在を知らされていなかったのに、相手はわたしの『法皇の緑』も、それどころかわたしの名前までも知らされていて。
「気持ちが悪い。気分が悪い」
わたしがJOJOに接触すればすぐに裏切ることなど初めから見抜かれていて。
わたしを周りに関わらせることなどどうせ無駄なことだと思われていて。
わたしの名もスタンドも、全て言いふらしておいて。
――そうだというのに、わたしの本来の能力も、性格も秘匿しておくなんて。
「気持ちが悪い。わたしはあなたの所有物ではありません」
一言呟いたところで、灰の塔を法皇の緑が引き千切った。
……狂い悶えるように、喜びながら。
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気持ちが悪い
執着とか未練とか
2025/1/29