可愛い、という判断は、他隊の人間どころか、自隊の人間からしても奇妙な判断基準らしい。見目はいい。かなり美人な部類だろう。だけれど、その苛烈な部分や、隊長の娘である、ということを知れば、大抵の者は彼女に抱く印象を修正する。
だから、可愛い可愛いと言い募る俺は、周りからすればだいぶ不思議な存在らしかった。だが、そんなことどうだっていい。
「可愛いな」
後ろから抱き込んだ、上司兼恋人の頬を撫でると、彼女はくすぐったそうに身を捩る。
「私を可愛いと仰るのは少し不思議です」
「お前まで言うか」
本人にまで言われたら、これは相当に重症らしい。だけれど、俺は彼女を強いとかそういうふうに思う時より、可愛いと思う時の方が圧倒的に多かった。
今だって、くすぐったそうにしている彼女が可愛くて仕方ない。
「可愛いヤツを可愛いって言って何が悪い」
開き直ったように言って、俺は彼女の後ろから、その顔の横に自分の顔を持ってきた。
「可愛い、でしょうか?」
「可愛くて仕方ない」
きっぱり言って、俺は彼女の鼻筋に軽く唇を落とす。
そうしたら、くすぐったそうに、恥ずかしそうに、彼女はさっとその白い肌に朱をのせた。
ほら、やっぱり、とても可愛らしい。
鼻梁のキスは愛玩