蔓日日草
幼馴染の背中はいつもあたたかかった。
高校生だった時に負ぶわれたあの日、だけれどあては彼の背で絶望した。
この幼馴染に理解されることが、ついぞ来ないのを予感したからやった。
その日から、彼のあたたかさをもう一度知る日など、永遠に来ないと思っていた。
焼けるように熱い右目に比して、彼の背中はじんわりとあたたかかった。
山を駆け下りるその幼馴染の背中で思ったことは後悔、懺悔、そして絶望やった。
だけれど、そのあたたかさに、あては安堵していた。
(もう一度、知る日が来るなんて)
この幼馴染が、愛おしいのだと、もう一度知ることが出来るなんて。
絶望の果てで、あての中に落ちたのは幸福だった。
蔓日日草:花言葉「幼馴染」