優しい

少し休んだらどうかと自隊の副隊長様に言われてからもう数刻が経っていた。
思うよりも深く眠っていた自分に驚いたが、部屋の入り口にきっちりと座っている副隊長を見つけて俺は納得する。
普段人の気配があっては眠れないというのに、彼女がいるとかえって眠りは深くなる。
時計から彼女に視線を向けたが気がついた様子はない。
あるいは気がついていても俺が言い出すまで知らない振りをしているのかもしれない。
甘やかされているのを自覚して、俺は笑ってしまった。

夢も現も
融けていくように包むように「優しい」