Immortal


「死にたいときに、死ねねえってのは、不便だな」
「そうでしょうか?」

 呟きには返答があった。
 彼女を見ていると、己の感じた永遠など、とても狭隘な思考に思えた。
 でも、それでも。

 いつか彼女は、消してしまいたい過去や、目を瞑りたい未来に直面するかもしれない。
 それが何百年後の出来事かなんて分からない。
 だけれどきっと、それは唐突に訪れる。不死の身を切り裂く程の、痛烈な痛みを伴って。

  もし、その痛みの元が、己であれば、という驕り。
 己であれば、それは、限りない希望と、限りない絶望の、両端を握っている。

  だからそれまでは
 だからそれからも

 永遠の命を、俺は生きる。


不死(最も残酷で、最も甘美な罰)