Change
君の心を変えてしまいたい。
別に、横恋慕でもなんでもない。君の目にはそういう意味では誰も映っていないから。
だけれど、テニスに向けるほど、あるいは、自分を含む友人に向けるほど、純粋で、真っ直ぐな視線を、出来るなら独占したいと思うのは贅沢だろうか。
「え?」
贅沢なんだろうな、と、いつもの癖で自分自身の言葉に対して小さく口に出してぼやいたら、君はちらりと振り返る。
そう。
その振り返った視線を、俺だけのものにしてしまいたい。
……などという、贅沢かつ不毛極まりない思考に蓋をして、向けられたその真っ直ぐな視線に、俺は小さく微笑んだ。
Change your mind