ネックレス

「やる」

 差し出されたのは銀の精緻な作りの首飾りだった。

「ありがとう、ございます?」

 しかし、そのような物を渡される意図が分からず首を傾げたネムに、阿近はガリガリと頭を掻く。

「ほら、あれだろ、バレンタイン。世話になってるヤツに渡すんだろ。菓子は分からん」

 それは少々見解の間違いというものがありそうだったが、確かに今日は2月14日。ネムの懐にもビターチョコレートの小箱が入っていた。

「付けても?」
「もちろん」

 銀の細い鎖が、彼女の白い首を彩って、阿近は満足げに笑った。


を捕まえておきたいんだ