そみたいに冷えていくギンの躰に縋るあたしは、多分とても惨めで、彼を助けることもできないあたしは、多分とても無力だ。
多分、じゃない。本当に、だ。とても、だ。本当に惨めで、本当に無力だ。

「なに」

ギンの唇が微かに動いて、何か言葉を紡ごうとした。
血が、唇の端から零れて、しゃべらないで、と言うべきなのだろうけれど、彼がきっと助からないことを知っているあたしは、その言葉を聞こうとした。自分の利己に、あたしは酷い女だ、と思った。
戦慄く様に、彼の唇が動くけれど、それは言葉に、声にならない。
だけれど、あたしは彼が何を言いたいのか、ほとんど知っていた。ただ声が聞きたかっただけのあたしは、そこではじめて彼の唇に触れた。

「もういいよ、ギン」

震える唇を、なぞったら、彼が生きていたことを示す綺麗な紅が指先についた。

「大丈夫よ、ギン」

だから、謝らないで―


さようなら、あたしの唯一人の君