尻尾勉強会


「はじめ」
「ミッ!?」

 部屋に戻って、今日は周回が入っていなかったはじめを呼んでみたら、いつもよりもあからさまに警戒された鳴き声を出された。まあ、いいんだけど、と思いつつ、ベッドでちょこんと待っていた身長はあるが体重の軽いウサギのはじめを軽く撫でる。

 「お、おかえり、なさい」

 いつにもましてびくびくしているというか、怯え性なのはそうだけど、まあねえ、と思いながらも、きちんと挨拶できたはじめに口付けた。

「んっ」
「はい、ただいま。今日からはじめも俺もお休みもらっちゃったね。マスター優しいなぁ」
「あっ、あの!」

 必死に何か言おうとしているはじめの青い耳の内側が真っ赤になる。可愛い、と思いながらもそのままはじめを抱き上げた。

「みっ!?」
「という訳で、話してた通り、今日から勉強会だからね?」

 マスターにもちょっといろいろ勉強とかはじめと話したいから時間もらえないかな、と言っておいたし、嘘はひとつもついてないんだな、これが、と思っていたら腕の中ではじめがイヤイヤとかぶりを振った。

「ヤです、だめです、耳の時も……!」

 必死に抵抗しようとするはじめには、事前に「今日の周回が終わって帰ってきたら、休みだから尻尾勉強会ね」と伝えてあった。それもあってか、俺が帰ってきてからずっとびくついていたようだが、耳を開発した時の感覚が残ってる訳ね。かーわーいー、なんて思いつつ、その可愛いお耳を軽く撫でて噛んでみる。

「みっ、やっ、やだぁ……」
「そうだよねぇ、はじめはこの可愛いお耳で俺のこと誘惑して、可愛いお耳だけでイけるほど淫乱な子だもんねぇ?」
「ちがっ、ひうっ、耳、だめっ、やらぁ……!」

 涙目で言ったはじめに構わず、その耳元で囁いた。

「どこが違うの?」
「ちがう、ちがうもん!やらっ、あっ、ふぁっ」

 軽く弄っただけで気持ち良くなってきたのかとろとろになり始めたはじめの耳をやんわりと撫でつける。

「やめ、て、くらさい、だめっ!」
「尻尾もこんなふうに気持ち良くなれたら楽しいし可愛いねぇ」
「やっ、意地悪、しない、で!」
「意地悪?どこが?はじめが気持ちいいことしかしないよ?」
「ひあっ!?」

 そう言って完全に油断していたようなはじめのそのまん丸の尻尾を軽く撫でるように握ったら、驚いたようにびくびくと身体が跳ねて、それからこちらに抱き着いてきた。こんな状況でも俺に縋っちゃうようなそれがもうほんと、可愛くて仕方ない。

「もともと尻尾で感じる才能はあったみたいだしね?」
「うぁっ、やら、やら!」

 そう言って必死にこちらに抱き着いて縋りつくはじめの可愛い声を聴きながら、そのふわふわの尻尾を軽く撫でて、それから押しつぶすように刺激してやる。

「みっ!しっぽ、しっぽだから、らめ、です!」
「なーにが?尻尾だから駄目って意味分かんないよはじめ?はじめは全部俺のでしょうが」

 そう少し横柄なことを言いつつ、だってほんとのことだし、なんて思いながらだんだん紅潮してきた顔を見て、やっぱり尻尾でも感じるんじゃん、と楽しくなってきた。
 押しつぶしたり、撫でたり、軽く抓んだり、緩急をつけて刺激していたら、必死に抵抗しようとしていたはじめの身体がだんだん弛緩して、こちらに寄り掛かって来る。

「ううん……っあ……やら、しっぽ、なの、に……ひあっ!」
「うん、だからね?尻尾でもしっかり気持ち良くなるための勉強会だからね?」

 だからね、と言って尻尾をぐにぐにと苛めながら、その可愛い耳元で囁いてやった。

「気持ち良かったらちゃんと言うんだよ、はじめ?」
「ひっ!」

 俺の一言に真っ赤になって弛緩していた身体が一瞬こわばるが、もう一度尻尾を抓んでやれば、その身体からはすぐに力が抜けた。本当に、こういう快楽に従順というか、弱いところが可愛いんだよなぁ。

「ほら、どう?俺、はじめの尻尾撫でるの下手かな?」

 そう聞いてやったら、はじめはとろりとした紅い顔のままでこちらを見て、その蕩けた瞳で俺を見た。これのどこが誘惑してないって?本当に淫乱な子。

「へたじゃ、ない、です……しっぽ、きもちい」

 恥ずかしさもあるだろうが、たどたどしく言ったはじめに口付けて、もう一度強く尻尾を掴んでみた。

「やっ、あっ、つよ、つよい!らめ、ながくら、しゃん!だめ!」
「素直に言えるはじめが大好きだからいっぱい可愛がってあげる」
「あっ、うあっ、やら、やら!」

 気持ち良いと自分で申告したくせに、尻尾を弄ってやったらまたその力の入らない体のまま抵抗しようとするから、ああ、と思って尻尾を軽く撫でたまま、はじめに聞いてみる。

「もしかしてはじめ、イっちゃったかな?」
「みっ……ちがっ……!」

 弛緩した身体に真っ赤な顔、耳の内側まで桃色から赤く染まったそこ、ぴくぴく動く可愛い尻尾にそう言えば、はじめは必死になって否定するようにぶんぶんと首を振ったが、すぐに身体を抑えつけて尻尾で遊べる体勢のそのまま固定した。

「俺は素直なはじめが好きなんだけど?」
「あっ、やら、嫌いにならないで、くらしゃい、ちゃんと、ちゃんと、っあ」
「ちゃんと?」
「ちゃんと、いう、からっあっ、やらっ、うあっ!きらいに、ならないで!とめ、てっ!」

 必死にそう言ってきたはじめに尻尾を撫でていた手の動きを止めてやったら、荒く息をつきながらはじめが蕩けた顔で口を開く。

「あ、の……しっぽ、気持ち良くて、た、たぶん、イッちゃい、まし、た」

 たぶん、と付けたはじめに、ふうんと思いながら、つまるところは空イキかあ、と思ったら妙に楽しくなった。

「正直に言えて偉いね。尻尾でもイけるようになるのは楽しいなぁ」
「ひうっ、まって、いま、イったばっかり、らから!」

 必死に言うはじめに構わず軽く尻尾を撫でてやれば、また全身がびくびく跳ねて、その撫でている尻尾もピクリと可愛らしい反応をする。尻尾イキなんてもうこれ、新しいジャンルじゃんとか思いながら俺は一旦手を止めた。

「……え?」

 待って、なんて言いながら、快楽を止められると不安になるのも本当に可愛いというか、淫乱というか、と思いながらも、ね?

「服……スーツとかいろいろ、いったん脱ごうか?」
「みっ?」

 短く鳴いたはじめのスーツとワイシャツに手を掛ける。洋装って脱がせやすいよなあ。そう思いながら服を脱がせていけば、桃色に染まった肌が晒されて、そうしてそこに不釣り合いなようにちょこんと生えたまん丸の青い尻尾も余計に目立つ。それに。

「ね、はじめ?」
「ふあっ」

 その尻尾を軽く弄りながら、そうしてその晒された肌や性器を弄りながら問い掛ければ、びくびくとはじめが寄り掛かってくる。いわゆる対面座位だが、こっちは脱いでないし、まあ、なんて思いながら軽く尻尾から指をずらして後孔に触れれば、そこは期待するようにこちらを誘う。可愛い、ほんとに。

「はじめは淫乱だから、尻尾で空イキだけじゃ満足できないでしょ?」
「あっ、うあっ……!」

 撫でつけて、軽く指を挿れてやれば、浅いところなのに涙目になったはじめの耳がぺたんと折れる。可愛い。

「ちゃんとイきたいでしょ?尻尾も一緒に気持ち良くなってちゃんとイったら、はじめどうなっちゃうかな?」

 そう言いながら浅いところを弄ってやったら、期待するように、それでも必死に何か耐えるように、はじめが啼いた。本当に可愛い。

「ひあっ、やっ、いじわる、しないで!あっ、やらっ」

 そうやって俺を誘惑する可愛いはじめが悪いんだからね?と思いながら指を押し込んで、ついでに尻尾も撫でてやる。これ、慣らす必要なさそう。ほんとに尻尾で何回イったんだろう、コイツ。

「俺がはじめに意地悪する訳ないでしょ?ちゃんとイかせてあげるから、尻尾も一緒にね?」

 そう言ってやったら、欲に蕩け切ったはじめがとろりとした顔のまま口付けてきた。
 本当に、この淫乱なウサギさんを躾けるのはタイヘンだなあ、なんてね?




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2023/10/8
2023/10/11 サイト掲載