当たり


 インターホンが鳴って、時計を見る。
 午後十時。まともな時間じゃない。こんな時間に部屋まで来るのは土方さんか沖田ちゃんか、あとは顔も見たくない馬鹿しかいない、と思いながら、僕は玄関に向かった。

「……何ですか」

 とりあえず外の人物をレンズで確認して、一拍置いて鍵を開けて言ったら、その馬鹿こと永倉さんは、妙にでかい袋を持っていた。

「鍵開くまで遅くない?」
「今何時だと思ってんだ馬鹿だろ」
「まあいいや、コンビニでさ」
「勝手に話進めんな」
「コンビニで酒買って帰ろうと思ったら、レジでなんかクジやってて面白そうだなあって」
「だから話聞けよ」
「ついでだから一回だけ引いてみたら一等?当たって」

 そう言って永倉さんは袋を押し付けてきた。妙にふっくらしていて妙に大きい。

「俺知らないけどゲームのマスコットキャラの特大ぬいぐるみなんだってよ」
「……」
「うちで飼えないからはじめにあげようと思いついて寄ったワケでね」

 ……欲しかったやつだ、5回くらいなんかのついでに引いたけど当たらなくて……

「アンタ、昔どころか生前から運だけはいいよな」

 嫌味を言って受け取って、俺はその人を締め出した……礼くらい言えば良かった。




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2023/8/22
2023/10/11 サイト掲載