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「サーヴァントってさ」
「はい?」

 三時のおやつに団子を食べている沖田を見ながら、斎藤はこの話題のチョイスが正しいか分からないままに、言った。

「死んだら骨残らないよね?」
「……たぶん。あと私お団子食べてますけど」
「うん、自分でも悪かったと思ってる」
「別にいいですけどね、斎藤さんそういうところありますし」

 妙なところで空気読めないっていうか読まないっていうか、と彼女は続けて、気にせずに団子を頬張った。

「お前が死んだとき、僕は北にいて」
「はい」
「本当は骨が欲しかった。何か形に残るものが欲しかった」

 その言葉に、沖田はじっと斎藤を見つめた。
 形に残るもの、か。刀、髪、骨、いろいろと思い浮かんだが、死後にも残るのは骨かもしれない、なんてひどくぼんやりと思った。

「私も、欲しいですね」
「え?」
「斎藤さんの、尺骨がいいですね」
「……なんで?」

 問いかけに、沖田はぱくりともう一つ団子を食べて、喉を潤すように茶を飲んだ。そうして、まるで当たり前のことのように、普段の会話のように続けた。

「あなたとの距離を測るには、尺が必要ですから」

 あなたを喪ってしまっても、と彼女は続けた。

「あなたへの距離を忘れないように」

 静かに、彼女は言った。




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尺骨っていいですよねっていう。そうして斎藤さんは空気が読めない(三時のおやつにする話題じゃない)

2020/11/15