手をつなごう
君と、手をつなごう
朋香ちゃんと!
桜乃ちゃんと!
ミユキちゃんと!
朋香ちゃんと!
「早く早く!」
「待って待って!」
いつの間にか駆け出した朋香に追いすがるように、じゃれるように、杏はその背を追う。そうしたら朋香は、急かすようにその杏の手を引いた。
「クレープ売り切れちゃう!」
「朋香ちゃんそればっかり!」
「杏さんだって好きなくせに!」
そう言い合って、杏と朋香は互いにつないだ手を見て、思わず二人そろってふき出した。
「行こ行こ、桜乃ちゃんの分も早く買わなきゃ」
「桜乃今部活終わったってメール来ましたよ」
急がないと、学割のクレープはいつもすぐに売り切れてしまう。
君と、手をつなごう
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学割も放課後の寄り道も、今だけの特権。
桜乃ちゃんと!
「これ可愛くない?」
「あ、可愛いですね」
杏が指差したのは飾りのついたヘアピンだ。小さな雑貨店での買い物は女の子の楽しみだろう。
「あ、こっちにお揃いのもある」
それを見てそれから、桜乃はふと少し離れた棚を覗き込む。
「どこ?」
そう言って振り返った杏の手を引いて、桜乃は棚に誘導した。
「これです。朋ちゃんの分もあるからお揃いにできそう」
「いいね!じゃあお姉さんからのプレゼントってことで!」
一目でそれを気に入った彼女は、桜乃とつないだ手と逆の手で、小さなそれをかごに入れた。
君と、手をつなごう
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お揃いの髪飾り、そして女の子は―――
ミユキちゃんと!
「杏姉ちゃーん!」
「ミユキちゃーん!」
空港で振りあった手、それから久しぶりの一人旅のミユキは出迎えの杏に駆け寄って抱き付いた。
「元気しとった?」
「もちろん!ミユキちゃんも?」
「当たり前っちゃ!」
いつの間にか大きくなったミユキの東京旅行のお宿は杏の部屋だ。
昔から姉妹のようだったけれど、いつの間にか大人びたこともたくさん話すようになった。
「どうしたと?」
感慨深げにミユキを抱き留めていた杏に彼女が問えば、杏は何でもないと言うようにミユキと手をつないだ。
「どこから行く?」
「んー、お昼食べ行っていい?」
手をつないで、他愛もない話をして、笑い合う、昔のように。
君と、手をつなごう
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少しだけ大人になっても、変わらない二人の少女。
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杏ちゃん誕生日おめでとう!5回目!超楽しかった。杏ちゃん誕にかこつけて女の子たちきゃっきゃさせるの超楽しかった(趣味全開)。
2015/6/28