副官章に描かれた花の輪郭をなぞる。白罌粟の花。花言葉は、忘却。その皮肉さに思わず口角が上がる。
忘れえぬ思いだけを重ねて、ここまで来た。
憧憬、恐怖、後悔、自責、信頼、尊敬、思慕―
それらの思いを、忘れると言うのなら、きっとここに立つ資格も無い。それは紛れも無い罪だ。
この花に、俺は試されている。
罪の裁量
後記