首を絞めて息を止めて
どうして、どうして、どうして。
「なんで、なんで、なんで!」
どこに行くんだよ、なんで捨てるんだよ。
「みんな、みんな、みんな!」
これがもう勝てないと分かっている、分かっているのに着いてく僕が馬鹿で、だから捨てるのかよ。
「新八も、副長も」
沖田も、山南さんも、局長も、芹沢さんも、藤堂も、みんなみんなみんな。
「おまえは何が欲しい?」
「な、に……?」
僕は、ただ。
本当に、ただ。
「見返りは、いらない」
答えに少しだけ新八の青い瞳が揺れた。
そうしてそのまま、彼は振り返らなかった。
*
「お、れは……」
怖かった。ただ怖かった。斎藤が「無償の愛」を求めるのは、ある意味で自由だったのかもしれない。ある意味であの「新選組」という組織に縛られていたのかもしれない。
だけれど。
「怖い、怖い、怖い」
俺は、斎藤に、何を求めたんだ?
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