首を絞めて息を止めて

 どうして、どうして、どうして。

「なんで、なんで、なんで!」

 どこに行くんだよ、なんで捨てるんだよ。

「みんな、みんな、みんな!」

 これがもう勝てないと分かっている、分かっているのに着いてく僕が馬鹿で、だから捨てるのかよ。

「新八も、副長も」

 沖田も、山南さんも、局長も、芹沢さんも、藤堂も、みんなみんなみんな。

「おまえは何が欲しい?」
「な、に……?」

 僕は、ただ。
 本当に、ただ。

「見返りは、いらない」

 答えに少しだけ新八の青い瞳が揺れた。
 そうしてそのまま、彼は振り返らなかった。





「お、れは……」

 怖かった。ただ怖かった。斎藤が「無償の愛」を求めるのは、ある意味で自由だったのかもしれない。ある意味であの「新選組」という組織に縛られていたのかもしれない。
 だけれど。

「怖い、怖い、怖い」

 俺は、斎藤に、何を求めたんだ?